「THE BASSDAY LIVE 2018」LIVE REPORT公開!!

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2014年に発足し、2015年から毎年各地でさまざまなイベントが催されるこの記念日は、今年で4回目を迎えた。赤坂BLITZで開催される“THE BASSDAY LIVE”は今年も大盛況で、即完売してしまうチケットを手にした多くのミュージック・ラヴァーが音楽の楽しさを体感していた。豪華なラインナップが揃ったこの日の赤坂BLITZの様子をお届けしよう。

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まず初めに登場したのは日向秀和(ストレイテナー/Nothing’s Carved In Stone)。メンバーは、鍵盤にホリエアツシ(ストレイテナー)、ドラムに柏倉隆史(toe/the HIATUS)を迎えた編成だ。初めに日向が“曲も決めていないし、なにが起こるかはわからない!”と言うと、それぞれがおもむろに音を出し始める。ペンタトニックを巧みに使った日向のファンキーなリフに、有機的に動くドラムが絡み合い、鍵盤が無機質に空間を埋めていく。演奏は極めて即興的で、ジャズ・バンドのように生々しくプレイがぶつかり合っていた。上質なR&Bナンバーや、ゆったりと進むノリの良い曲などを繰り広げたなかで、日向のベースは常に大黒柱のように合奏の中心に位置している。さまざまなフィルを使って自在に変化するドラムと広がるようなフレーズで高らかに鳴る鍵盤を支えながら、場面展開にあわせてエフェクトを駆使したり、高音部と低音部を使い分けたり、懐の広い日向のベース・プレイに見惚れてしまう。

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次に登場したのはハマ・オカモト(OKAMOTO’S)。今回はライヴ演奏ではなく、なんと、その場でベースの組み立てを実演するという。組み立てるのはシグネイチャー・モデルHAMA_OKAMOTO PRECISION BASS“#4”。ステージ上部の大型スクリーンには作業台の様子を写し、普段はなかなか見ることができない組み立て前のパーツを見せると同時に、パーツ組み立てのコツや、配線のハンダ付けなど、器用な手さばきで見せてくれた。そして、ベースが完成すると、ハマは弦を張り替えている間にオーディエンスにいくつかの質問をした。“このなかでベーシストはどれぐらいいますか?”。観客は挙手で応える。“では、ベースをやりたいと思っている人は?”、“そのなかでバンドをやってみたいと思っている人は?”。最後の質問に手を挙げたのは若い女性で、ハマは彼女にたった今完成したベースをプレゼント! 会場は大きく湧いた。そして最後に、ハマが一番カッコいいと思う「4弦開放のE」1音のみを鳴らしてステージを締めくくり、会場は拍手喝采を送った。

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次に登場したのは、ロック/ポップスに限らず、多様なシーンで活躍するTOKIEと、クラブ・サウンドをもバンドで体現するサカナクションの草刈愛美だ。堀正輝(d)を迎えた3ピースの編成で、2本のベースの役割分担が絶妙なバランスで成されていた。クラブ・ミュージック・マナーや、サンバのようにリズミカルなドラミングで、ゆらゆらと揺れたくなるようなダンス・ビートを聴かせる無機質なビートに、TOKIEはエレベのスラップや、アップライトでの弓弾きなど、多様な奏法から生まれるフレーズを当てていくが、草刈は低音部での歯切れの良いプレイで応戦する。ときにはシンセ・ベースを用いて、ダンサブルな音の重なりを徹底し、まるで会場がクラブへと変貌したような時間を作り出していった。

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ハマとともにサプライズ・ゲストとしてあきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)と亀田誠治が登場したベース・クイズ・コーナーでは、回答中に画面に正解が映ってしまうというミニトラブルもあって大爆笑が沸き起こる(笑)。「ジャコ・パストリアスの本名は?」や「初めてベース・ソロが登場した名曲とは?」といった知識的なものから、それぞれが出題者となる実演クイズでは、あきらかにあきらの「今から弾く演奏は生卵とゆで卵、どっちで弾いているでしょうか?」という一風変わったものまで、ベースの日ならではのクイズに苦戦する様子など、終始会場の笑いが絶えないコーナーとなった。

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その後、KenKen(b,vo)、山岸竜之介(g)、ムッシュかまやつ(g/昨年3月に逝去、今回はヴォイス・サンプリングとして登場した)によるLIFE IS GROOVEが参上。SATOKO(d)、タケウチカズタケ(k)、タブゾンビ(tp)、かわ島崇文(sax)、DAG FORCE(mc)を迎えた豪華な大所帯編成だ。始めに“ハッピー・ベースデイ・トゥ・ユー!”と歌ってライヴの火蓋が切って落とされると、毎度その場で生まれるソロ・プレイが豪快な「Today’s Song」など、怒涛のパフォーマンスで激しく踊りたくなるファンク・ナンバーを披露してくれた。ステージを縦横無尽に闊歩するKenKenと山岸。ホーン隊のソロでは近づいて煽る場面や、ギター・ソロでは山岸がステージ最前を超えて客席にまで飛び込み、会場が白熱。パフォーマンスと演奏とが絶妙に影響し合って、各メンバーの一挙手一投足によってライヴがどんどん加熱し、ステージ上で行なわれるコミュニケーションが音楽となっていく様から目を離せなくなってしまった。この日に初めてライブで披露された曲「ただ ソファーにいて」では、ゲストに日向秀和が登場。KenKenがギター・ヴォーカルとなり、日向はギターと鍵盤の動きとのバランスを取りながらもオクターヴを使ったファンキーなベース・プレイを繰り出し、しっとりとしたバラード・ロック・チューンを届けてくれた。

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最後にはLIFE IS GROOVEに加わるかたちで、この日出演した7人すべてのベーシストがステージに登場し、恒例となりつつあるベーシスト・セッションが行なわれた。ディープ・パープルのフレーズを混ぜて遊びの効いたメロディを鳴らしたTOKIE、太いプレシジョンベース・サウンドで4つ打ちに対する細かい刻みのフィーリングを感じさせたグルーヴィな草刈、歪み+ワーミーというド派手な音色でエキセントリックなプレイをした日向、強いピッキングでドライブしながら開放弦と高音部を生かしたハマ、芯のある太い音で歌心がありながらもテクニカルな技を魅せたあきら、歪んだサウンドの豪快なチョーキングと工夫されたリズムのスラップを繰り出した亀田。それぞれが多様なスタイルで魅せるベース・プレイに、客席からは大きな歓声が上がった。ラストは全員で同時にベースを鳴らすと低音が音の壁となって赤坂BLITZを包んだ。
毎年ヒートアップしていく「THE BASS DAY LIVE」だが、来年はどんなステージが観られるだろうか? きっと、今年がそうであったように、さらなる進化をみせてくれるに違いない。

文: 萩原じいの

写真:矢部志保